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はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

兵庫県浜坂温泉・カニソムリエの宿・澄風荘のスタッフが、但馬の文化や歴史、山陰海岸ジオパークのPR、浜坂の四季折々の魅力をお伝えしていきます。

吹雪の槍で遭難か 加藤文太郎のことその3 

加藤文太郎

まんじりともしない長い夜が更けて六日の早朝、「花ちゃん今帰ったよ」と、言う夫文太郎の弱々しい声を花子さんは微睡みの中で聞きました。

「元気か?あんたさえ元気ならそれでいい」「ああ、やっと無事に帰ってきてくれた」と、思った途端、隣に寝ていた登志子ちゃんの泣き声で目が覚めました。

 

益々不安が募り、夜が明けるまでの時間がとても長く感じられました。

早朝、会社の上司であり、山の先輩でもある遠山豊三郎さんが、加藤文太郎が出社していないので、加藤の家まで訪ねてくれました。

花子さんはこれまでの委細を話し、遠山さんに相談を致しました。

遠山さんは、早速、山仲間を集めて善後策を立てられました。

「文さんに限って、」「文さんのことだ、いずれ何処からかきっと現れるさ」など、集まってくる山仲間たちは始めは楽観的雰囲気が支配的でした。

ところが、別の同行者(大久保・浜氏)から、加藤、吉田二人とは槍の山小屋で分かれ、両氏は北鎌尾根に向かったとの情報が入ると、雰囲気はにわかに一変し、緊張感が走りました。

早速対策本部が設置され、多人数の捜索隊が編成されました。

時間を追うごとに、もたらされる情報は、悪いものばかりでした。

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