加藤文太郎の縁で高嶺会の皆様の仲間にさせて戴いて十数年になりました。加藤文太郎は、高嶺会
の会長であります藤木高嶺先生の御尊父藤木九三翁から本格的登山技術を指導されていました。そのことは新田次郎の小説「孤高の人」にも書かれております。
山男であった文太郎の実家は実は浜坂の漁師で、彼はそこの四男でありました。
当時は小さな手漕ぎの船で、彼のあの頑強な足腰はそこから鍛えられたかも知れません。その頃、小さな船でもカニも魚も大漁であったと聞きます。現在は大型船で近代化された装備で可成り遠く
まで行かなければ漁になりません。しかしその様な中、浜坂の漁師たちは優秀で、松葉カニは勿論
ハタハタやホタルイカでも水揚げ日本一です。
ところが、知名度はまだまだ低く他の地域に遅れをとっております。そこで、松葉カニのまちに
相応しく各宿(民宿や旅館)に松葉カニのプロ(カニソムリエ)を養成しようと三カ年掛けて取り
組んで、一昨年37名のカニソムリエが誕生しました。カニソムリエは、カニのことはもとより町
の歴史や文化にも精通していなければなりません。
カニと一口に言っても色々ありまして北海道で有名なカニは毛ガニやタラバガニですが、タラバ
は蟹の仲間でなくヤドガリに属します。カニは地域によって呼び名も異なります。福井県は越前カニ、京都のある所では間人カニ、私達山陰では松葉カニと呼びます。 山陰の松葉カニが何故旨いか
と言えば、大山沖の堆積火山灰から良質のプランクトンを餌にしているからです。
松葉カニの由来はかって浜でカニを茹でる時松の葉を燃やしたとか、カニの脚を削いで氷水に離
すと松の葉のような綺麗な花が咲くから等諸説があります。
あの美味なカニ味噌は、蟹の肝臓と膵臓です。蟹にはタウリンやカニキトサンが豊富で栄養満点
です。キトサンは人工皮膚や手術用の糸等医療にも活用されております。
蟹は生涯で10~13回脱皮しながら大きくなりますが、メスが二は10回位で受精し脱皮をし
なくなり、オスに比べメスが小さいのはそう言う理由です。
蟹は大きなハサミを持っているが、これは餌を捕ったり敵と闘う武器になります。したがってハ
サミの大きい方がメスカニに良くもてるそうです。
今年も高嶺会の皆さんがカニを食べに来ていただきました。カニソムリエも美味しいカニの食べ