針葉樹の植林で樹の実のない山には、イノシシや、熊、鹿などが食べる食糧に困り、餌を求めて人里に獣類が現れるようになり様々な被害が続出している。
森は海の恋人と言われて、東北地方ではホタテや牡蠣の養殖のため漁師の人たちが山に木を植えるようになった。
良い漁場は、漁場に注ぐ川がよいことで、川の上流には広葉樹林があり、腐葉土からの栄養分が魚介が育つために必要な海藻や植物性プランクトンが不可欠であることを知り、良い漁師さんは山に木を植え将来の環境づくりに励むようになった。
神戸のブナを植える会の皆さんは、30年も以上も前から但馬の山々にブナの木を植えてくださっている。
6月2日新温泉町久斗山で「創造の森ふれあいのまつり」が行われ、そのまつりに参加されるため、わざわざ神戸市からお越しいただいている。
平成2年の秋、この地方を襲った19号台風で町の病院が浸水で甚大な被害を受け、大きな爪痕を残したが、被害の原因が山に
保水力がないため、瞬く間に久斗川の堤防を乗り越えて病院に浸水したものであった。
それからブナを植える会の皆さんには、平成3年より久斗山の創造の森にブナの木を植えていただいているが、いつしか地元民の手で「創造の森ふれあいのまつり」が行われるようになった。
このまつりが、失われたブナ林が復活され、獣類と人との棲み分けができ、夏期にも水の枯れない川が日本海に注ぎ、沿岸に海藻や魚介が
棲みつく良好な漁場形成の礎になれば幸いだ。