5月28日の朝刊で、作家の新田次郎氏と開高健氏を取り上げていたが、新田氏の作品のひとつに「孤高の人」があります。
「孤高の人」は、言うまでもなく新温泉町浜坂出身で、大正末期から昭和の始めにかけて冬山の日本アルプスを単独で次々と走破した青年の生涯を描いた山岳小説の代表作のひとつです。
奇しくも、この日愛知県から一人のお客様がご宿泊になられました。彼は、加藤文太郎記念図書館を訪ね、その後加藤文太郎のお墓やに新田次郎氏の「孤高の人の文学碑」などを見て回られたそうです。
ご案内されたのが、地元のボランティアの方で、また詳しいことは宿の主人にお聴き下さいとのことでしたので、ご夕食をされながら、加藤文太郎のお話をさせていただくことになりました。
お会いしてみると、その人は目のご不自由な方でした。
地元の図書館の人が読んで聞かせてくれる孤高の人や単独行に感銘を受け、この度初めて新温泉町浜坂を訪れて下さったわけでありました。
色んな話がはずんで3時間にも及びました。文太郎の岳友多田繁治さんや永楽孝一さんのこと。後輩の小野照美さんが、浜坂まで文太郎さんの墓参りに来られたときのエピソードなど話はつきません。
藤木九三・高嶺さん親子の文太郎とのご縁や谷甲州氏の「単独行者」執筆の経緯なども
話が及び終わってみれば9時30分を過ぎていました。
そして、何と30日には、山のボランティアのグループにサポートされて、氷ノ山登山もされるそうです。
大変貴重なお時間をありがとうございました。