はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

兵庫県浜坂温泉・カニソムリエの宿・澄風荘の主人・スタッフが、但馬の文化や歴史、山陰海岸ジオパークのPR、浜坂の四季折々の魅力をお伝えしていきます。

田君川の梅花藻の危機 多様性と科学的な保存方法を考える

田君川の梅花藻の群生

田君川の梅花藻の群生

田君川の梅花藻が危機に瀕しています。数日前、田君川の様子を見に行ったところバイカモの生育状況は芳しくありませんでした。

今年の田君川の状況

2018年4月19日の田君川

2018年4月19日の田君川

田君川のバイカモ公園では毎年「バイカモ祭り」が開催され、県内外からも多くの方にお越しいただき、可憐な梅花藻の花を愛で親しんでいただいております。

昨年は大雪の後の雪解けや秋の大水で流れてしまい、バイカモ祭りは中止となってしまいました。

『田君川バイカモ祭り』中止のお知らせ | 浜坂観光協会ブログ

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バイカモと植生の多様性を考える

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田君川のバイカモは過去何度も危機に瀕してきました。その度に地元の「バイカモ保存会」の方々の大変な尽力の移植作業で復活してきました。バイカモ保存会の皆様の努力と貢献には脱帽する限りで、新温泉町の町民としても感謝の念が絶えません。
田君川の清掃や移植作業はバイカモの保存にとって大事な作業です。

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バイカモは大水に弱く、流されやすいです。他の植物や草があることでそれが「」となりバイカモは守られています。もちろん外来種や競合種を適度に除去することはバイカモ保存においても必要な措置だと思います。ただ過度な除草がバイカモの定着に悪影響を及ぼしている可能性も考えなければなりません。

ツルヨシ除去によるバイカモ群落の復元手法

安藤 義範氏ら(2001)↑の1996年8月から1998年2月 にかけての調査ではツルヨシ除去が有効であったことがわかります。しかしながら現在2018年の状況はどうでしょうか?

近年の調査、論文は見つかりませんでした。

植生の多様性を考えた上で「バイカモと共生する田君川のあり方」を考え直す時期に来ていると思います。バイカモは本来成長が旺盛で、自然の状態では他の水草と混生しています。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/6/2/6_KJ00004649667/_pdf/-char/ja)

専門家を交えた調査と保存方法を

根本的には現在のバイカモの減少の原因を科学的な調査によって解明すべきです。大雪の雪解け水によって流されていることが原因なのか、他の原因(水質の変化、周囲の河川の状況)があるのかわかりません。

こうした調査は地元の住民だけでは出来ません。新温泉町の協力も得て調査と保護活動を展開すべきです。
皆様に愛され親しまれる田君川のバイカモを守るためにも調査を自治体に提言したいと思います。

過去の梅花藻の記事:

田君川の梅花藻を考える 森づくりで川を守る - はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

田君川バイカモ公園整備へ - はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

梅花藻の群生 - はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

梅花藻祭り2015が行われました!! - はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

澄風荘が過去に撮った梅花藻の写真をフォトギャラリーにまとめています。
バイカモフォトギャラリー:

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