はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

兵庫県浜坂温泉・カニソムリエの宿・澄風荘の主人・スタッフが、但馬の文化や歴史、山陰海岸ジオパークのPR、浜坂の四季折々の魅力をお伝えしていきます。

水ガニが解禁 若松葉ガニはズワイガニの子ども 水ガニ漁期と資源保護を考える

今年も1月20日から2月28日まで若松葉がに(水ガニ)漁が解禁になります。

澄風荘でも「若松葉かに&松葉かにプラン」始まります。

【いまが旬】若松葉かに&松葉かにプラン

若松葉がにとは

若松葉がにはズワイガニ(松葉ガニ)の子どものことで、脱皮して間もないカニです。身体は成熟した松葉ガニより小さく、殻が柔らかく、味も水気が多いので「水ガニ」とも呼ばれています。

f:id:syofuso:20170114025220j:plain

 タグ付き活松葉かにと茹で若松葉かに

ところで浜坂がいくら「かにの町」でも、地元の人間が普段から松葉ガニを食べている訳ではありません(笑)

「松葉かに」は高級食材でなかなか手が出ませんが、若松葉がに(水ガニ)は松葉かにより5分の1から10分の1とお安く気軽に手に入り、味は松葉カニほど旨さに深みはありませんが、ゆで蟹で食べると割合美味しいのです。

f:id:syofuso:20170114034034j:plain

茹で若松葉かに

若松葉がに(水ガニ)の漁期

ズワイガニの子どもである若松葉がには資源保護のため松葉カニより厳しい漁期の制限があります。石川県から島根県までの1府5県の沖合底びき網、かにかご漁業の漁業者団体で組織された「日本海ズワイガニ特別委員会」において、省令*1より厳しく1月20日から2月28日までに漁期を定めて自主規制を取り決めています。

 

また漁獲禁止サイズ制限も省令より厳しく、鳥取県及び兵庫県漁業者の独自の取組みでは10.5センチメートル未満の若松葉がには獲れません。若松葉がにについて、福井県漁業者は10cm未満、石川県、京都府漁業者は全面的に操業自粛をされています。

平成28年度ズワイガニ漁期等の決定/報道提供資料/とりネット/鳥取県公式ホームページ

ズワイガニ漁と資源保護を考える

私たち山陰の宿泊業の人間は、自然からの恩恵をうけて商売をしています。目先の利益ではなく、長期的に次世代へと持続可能な資源の利用が求められています。

若松葉ガニ漁も今は制限されながら獲っていますが、近い将来全面自粛になるかもしれません。その方が良いと考えます。

松葉カニというブランドも漁業者の方々の資源保護への取り組みの上に成り立っています。

先日マグロの初競りで7420万円のご祝儀価格が付いたことがニュースになりましたが、あまり褒められたことではないと思います。

卸売市場法の趣旨に反し適正な価格ではないし、海外から日本のマグロ乱獲に対する厳しい批判があるのに身内だけで盛り上がってバカみたいです。

バカバカしい価格も宣伝効果を考えると安いものです。

こうした意図的に釣り上げられた付加価値によってマグロの需要が増加し、乱獲が進む危険性もあります。漁師さん方も無理をして競って多く獲ろうとするかもしれません。

マグロに限りませんが、初競りのご祝儀価格、ご祝儀相場の慣例は消費者には全く関係がありません。「初競りのご祝儀価格は出しません、適正な取引をします!」とアピールした方が、よっぽど消費者の理解を得られ宣伝効果もあると思うのですが、いかがでしょうか。

マグロ初競りの値段は「広告代」!?メディアが報じない日本の漁業の問題【音声配信】|TBSラジオAM954+FM90.5~聞けば、見えてくる~

クロマグロの惨状を見ていない? 初競りの熱気に海外から冷たい視線 日本の姿勢に批判集中

関連記事:

blog.syofuso.com

*1: 特定大臣許可漁業等の取り締まりに関する省令