はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

兵庫県浜坂温泉・カニソムリエの宿・澄風荘の主人・スタッフが、但馬の文化や歴史、山陰海岸ジオパークのPR、浜坂の四季折々の魅力をお伝えしていきます。

複雑怪奇なGoToトラベルキャンペーン:宿泊事業者の目線から

こんにちは。かにソムリエの宿澄風荘です。

GoToトラブル トラベルキャンペーンが7/22よりてんてこ舞いで始まりました。

当館では

  • 宿泊証明書
  • 内訳明細の分かる領収書
  • 事後還付申請書
  • 口座確認書
  • 旅行者向けのGoToキャンペーン概要チラシ(当館オリジナル)

を宿泊された全組様に印刷して1セットでお渡ししております。

 

GoToトラベルキャンペーンのお客様向けの情報は公式サイトのお知らせ記事で公開しています。

syofuso.com

本記事では事業者として「GoToキャンペーンとは一体どういう仕組みなのか」一般の方にも分かるように、現時点でわかっていることと、それに対する宿泊事業者の反応について書いていきます。

 

私の個人的な意見としては「今からでも一旦ストップして」仕切り直してはどうかと思います。

 

しかしながら既にキャンペーンがスタートし、割引を期待して予約される旅行者がいらっしゃる以上既に出した政府の告知に対して政府は責任を取らなくてはなりません。今回のキャンペーンは宿の金銭的な負担はない「国の事業」であるため、もしキャンペーンが中止になっても宿が責任を取ることはありません。(ですよね?)

 

ただその失策の現実的な負担を被るのは現場です。東京都の急な除外など旅行会社・施設・OTAは内容が二転三転する度に翻弄され、負担を強いられています。

 

旅行事業者の事情などは旅行されるお客様には関係ありませんが、今回のGoToトラベル事業は旅行者への還元であると同時に観光業界への支援事業であるため(こちらがメイン)、観光業界の反応に興味ある旅行者の方も多いかと思います。

そういった方の理解の補助になれば幸いです。

まずは基本から:GoToトラベルキャンペーンとは

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まずよく誤解されているのですが、「旅行代金は半額にはなりません」。旅行代金の35%割引きであって残りの65%は自己負担です。それに加えて9月から15%の地域共通クーポンという商品券のようなものがもらえるので半額補助と言っているだけです。

 

その地域共通クーポンもまだ「使えるお店も決まっていない」ですし、開始は9月からなので基本35%割引と考えて下さい。

 

割引販売が始まるのは各社準備が出来てから

 じゃらんnetや楽天トラベル、るるぶ、ヤフートラベルはGoTo参画予定ですが、まだGoToの対応準備中です。宿での直販も割引販売が始まるのは7/27以降とされています。

 

東京除外、宿の事業者登録など参画の条件が判明したのはつい最近のことなので各社まだ準備出来ていないと思われます。

 

7/27から割引販売が始まるまではお客様自身による「事後還付申請」で割引分の返金を受けることができます。

 

【追記】ヤフートラベル・るるぶトラベル、じゃらんnet・楽天トラベルが7/30より割引販売開始しました。

GoToトラベルキャンペーンが使える条件

GoToキャンペーンの対象には施設の登録が必須条件

GoToトラベルキャンペーンは全ての宿泊施設で使えるという訳ではありません。

①GoToトラベル事務局に情報登録して承認された施設で

かつ
②-1 参画事業者として承認された旅行事業者の販売する予約

または
②-2 第三者機関を介するなど特定の条件を満たし参画事業者として承認された宿の直販予約
のみが対象となります。

 

多くの施設は情報登録(①)や宿泊事業者(②-2)の申請をしているか、申請の準備をしている段階です。

 

スキームとしてはGoToトラベル事業の資料でこう発表されています。

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突然現れた謎の「第三者機関」とは?

上の図でもあるのですが、宿泊施設が宿の直販(公式オンライン予約、メール、電話による直予約)をGoToキャンペーンの割引対象にするには「第三者機関」と契約することが必須となっています。

 

「第三者機関」云々という話はキャンペーンの開始22日の前日頃?に初めて出てきました。

 

この謎の第三者機関とはなんぞや?と宿泊クラスタでは2、3日前から話題になっていました。

 この第三者機関には主に予約エンジン・サイトコントローラー(2WAY対応)を開発管理するシステム会社、観光協会や組合、DMOが想定されているらしいのですが、結局は現段階では不明で仮申請できるとのことでネルフでも何でも良かったみたいです。

 【7/27追記】やはりネルフではダメで、承認された第三者機関のみを指定することができるようです。

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https://www.jata-net.or.jp/gttravel/pdf/2020_ldgingtderthpersonorgans.pdf

そしてSTAYNAVI

Staynaviの利用方法
第三者機関って何だろうねーと話題になっているところに新たに現れたのが株式会社ピアトゥーの運営するSTAYNAVIというサービスです。元々宿の公式予約を検索できるポータルサイトとしてあったらしいのですが今回初めて知りました。

gotoinfo.staynavi.direct

 

昨日7/23、全旅連・日本旅館協会・シティホテル連盟に加盟する施設に対し一斉に、(いまどき)FAX笑でSTAYNAVIの案内があったのです。

 

実は数日前に当館で使っている予約エンジンの会社に連絡していて、STAYNAVIを使うことになるという話は聞いていたのですが、その時はよく意味がわかっていませんでした。

 

このSTAYNAVIが宿の直販の割引クーポン配布から事務局への給付申請・給付金支払い代行を請け負い、「第三者機関の業務委託料」として旅行代金の1.5%を徴収されるそうです。

 

第三者機関はSTAYNAVIに限られる訳ではありませんが、大手の宿泊予約エンジン(予約番・ダイレクトイン・予約プロなど)はSTAYNAVIと契約しGoToトラベルの割引クーポン発行を委託しています。

 

全旅連・日本旅館協会・シティホテル連盟が推していることからも直販予約の多くはSTAYNAVIを経由することになるでしょう。

STAYNAVIの精算フロー

1.5%の手数料は手間を考えると妥当というか良心的です。しかしながら一社が独占的に委託業者になってはいけませんし、複数の業者さんで公平な競争をして欲しいところです。

 

ただほぼ他に選択肢はありませんので、当館もSTAYNAVI経由でのGoToクーポンのご案内になるかと思います。

 

誰も全体像を把握していない事業

上記に挙げた情報はここ2、3日の最新の情報です。常にアンテナを張って情報収集していないと、とても追いつけません。実際問題、GoToの還付申請に必要な施設の情報登録やお客様へお渡しすべき書類の把握も出来ていない施設さんもあると思います。

 

HOTEL SHEの龍崎翔子 さんが

note.com

こういった記事を書かれていましたが、まさに「虚無」です。

 

お客様から「GoTo使えますか?」と訊かれて困惑・途方に暮れている個人経営のお宿さんもあるのではないでしょうか。

 

OTAの担当者さんや予約システム会社の方、GoToトラベル事務局、JATAのコールセンターの方と幾人かお話させていただきましたが、情報が統一されていない共有されていないという状況です。

 

GoToトラベル事務局のコールセンターですら、情報が混乱しています。

 

もろもろ書いているように本事業対して批判はたっぷりあります。ですが、現場としては最善を尽くしたいと思います。

 

GoToトラベルキャンペーンのスケジュール

最後にGoToトラベルキャンペーンのスケジュールを簡単にまとめておきます。

  • 7/27以降予定の各社の割引販売開始までに予約され7/22〜8/31チェックイン分までは8/14〜9/14に事後還付申請で返ってきます。(施設が事業者登録していれば)
  • じゃらん楽天などOTAでの割引販売が始まればそれ以降は最初から減額された料金で予約できます。

観光に携わる者としてGoToトラベルキャンペーンはありがたい一方、「なぜ今なのか」「準備不足過ぎる」など色々思うところはあります。何より多くのお客様はGoToがあってもなくても来てくださります。

 

実際GoToのおかげで新規予約が伸びたという実感は数字的にもありません。今年の夏の連休はGoTo発表前からご予約は割と埋まっておりましてGoToのおかげという感じではありません。

 

GoToの割引・還付も割引販売が始まる前の現状では、既存のお客様への適応をどうするかが、主な対応となっています。

 

見切り発車で始まったGoToトラベルですがお客様がお得になる制度をしっかり対応するのも施設の仕事だと思っております。

 

新型コロナウイルスの感染状況によってはキャンペーンの中止もあり得るでしょう。どういった場合でもお客様への不利益とならぬよう、宿として準備いたします。

 

当館では以下の衛生管理・三密回避対応をしております。

  • 館内の清掃・消毒の徹底
  • 換気(食事室は全室換気扇・空気清浄機設置稼働)
  • お食事は完全個室提供
  • お部屋でのチェックイン・タブレットによるチェックイン対応
  • 宿泊者様全員の検温・住所のわかる書類確認
  • 従業員の検温・体調チェック
  • 客室全室・本館別館共用スペースへのアルコール消毒液の設置

今後もGoToの還付申請の具体的なご案内などお客様への情報発信をして参ります。

 

ご予約のお客様でご不明な点がございましたら、LINEメールでお気軽にお問い合わせください。

<参考リンク・GoToトラベル関連の情報収集はここから>

Go To トラベル事業関連情報 | 観光庁

Go To トラベル関連情報|JATA

川嶋さんがGoTo関連の最新情報発信されています。お宿・旅行業関係の方はこちら。

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【GoToトラベル事務局問い合わせ先:8/1以降】

✔︎旅行者の方
TEL:0570-002442(10-19時 年中無休)
TEL:03-3548-0520(10-17時 土日祝・年末年始休み)

✔︎事業者の方
TEL:0570-017345(10-19時 年中無休)
TEL:03-3548-0525(10-17時 土日祝・年末年始休み)