新温泉町の中心街から車で山間に入る熊谷と言う山深きところに千年以上の歴史を持つ「善住寺}があります。その寺院のわき道をなお山谷に入り、峠越えにさしかかると沢山の山吹が咲き誇っています。
山吹の開花時期は、 4/15頃~ 5/ 5頃。
・「七重八重 花は咲けども 山吹の実のひとつだに なきぞかなしき」
兼明親王(かねあきらしんのう)
後拾遺和歌集
山道の一軒家に雨宿りを願った武将の太田道潅(おおたどうかん)は蓑を借りたいと言ったが 、 貸す蓑(みの)すらない貧しいその家の娘は八重山吹を差し出して短歌を読んだ。
八重山吹は実をつけないことから、
”みのひとつだになき”をかけ、断ったが、歌の意味を知らない 太田道潅は立腹して帰ったが、後で家臣に後拾遺和歌集のことを知らされ、自らの学のなさを大いに恥じ入ったと言われている。