リオオリンピックでの選手の友情
5日ほど前、17日間に亘るリオ・デ・ジャネイロオリンピックが閉幕されました。
卓球の福原愛ちゃんに中国選手等から熱熱な愛のプレゼントがあったようで、これに愛ちゃんも熱い涙のメッセージでお返し。
女子の長距離トラック競技では、接触して転んだ選手を抱き起こす他国の選手のシーンがテレビに映し出されました。
男子体操の個人総合で金メダルを獲得した内村選手に記者の嫌味な質問に対し、それを救ったのは僅差で敗れた外国人選手のコメントでありました。
遠交近攻は時代錯誤
しかし、現実の世界では、ミサイルを撃ち込む国や他国の近海を侵食する他国籍の漁船などのニュースもオリンピックのニュースとともに流れておりました
以前、ある番組で日本外交に遠交近攻をすすめるような発言がありましたが、時代錯誤も甚だしいと、感じたことがありました。
遠交近攻は、中国の戦国末期、笵ショウという人が、秦の昭襄王に説いてから秦の中国統一につながり、やがて秦王政の時代成し遂げられました。
ところが、その秦の始皇帝の野望も統一国家も長続きはしませんでした。
他人の土地やものを掠め取っても身につかないのと同じではないでしょうか。
「友情のメダル」
小学校の時の国語の中に、ベルリン・オリンピックの棒高跳びで、日没のため競技が続行できなくなり、日本人同士の選手が最後まで争わずに、銀メダルと銅メダルを分け合ったお話がありました。
競技の規定では、一回目で4m25cmを飛んだ西田修平が二位、大江の三位が確定されました。
西田はこれに不服とした上で、表彰台では大江を二位の台に立たせ、西田自らは三位の台に立った。ここで間違って、大江が銀メダルを持ち帰り、それに気がついた大江の兄が返しに来られたそうです。
西田は悩んだ末、知り合いの宝石屋さんに頼んで銀と銅のメダルを半分に切り、それぞれを繋げて「友情のメダル」が生まれたとの国語教科書の内容でした。
競技は真剣勝負あっても、過剰なメダル獲得数に拘るのは如何なものか。
オリンピック憲章は、永久の世界平和の実現です。
世界中の人達が遠交近交をするのがオリンピック精神ではないでしょうか。
かにソムリエ 谷岡整