はまさか日記~澄風荘しょうふうそう~

兵庫県浜坂温泉・カニソムリエの宿・澄風荘の主人・スタッフが、但馬の文化や歴史、山陰海岸ジオパークのPR、浜坂の四季折々の魅力をお伝えしていきます。

観光庁が野村総研、日本ユニシスへ委託したHVSS(宿泊施設空室検索サイト)が検索避けをしているのはなぜ?

たまたまTwitterで知ったのですが、昨年末に観光庁の委託で「HVSS」という宿泊施設空室検索サイトが開設されたそうです。

www.mlit.go.jp

HVSS:https://www.hvss.jp/

SEO対策を一切していない:検索避け? 

HVSSについてはこちらのツイートで知りました。

 

観光庁が開設した宿泊施設空室検索サイトが逆SEO実施? – HVSS/野村総研、日本ユニシスへの発注

こちらの記事で書かれているように、HVSSのサイトのソースコードを見ると、なぜかtitleタグ、meta descriptionが空っぽです。SEOに重要なタイトルやmeta descriptionが空というのは、逆SEO、わかりやすく言えば「検索避け」をしているようなものです。

f:id:syofuso:20170109223120p:plain

meta keywordはともかく、titleタグなしではユーザーは検索でこのサイトを見つけることはできません。

SNSでも旅行業界ニュースサイトでいくつか話題になっているだけです。リスティング広告も出していないらしく、今の状態では集客は見込めないでしょう。

Similarwebによると本記事執筆時点では本サイトではリスティング広告などの広告掲載を行っておらず、英語、中国語、韓国語など4言語対応をしているが日本国内のみからのアクセスにとどまる。またGoogleで上位表示させるSEO対策といったWebマーケティングも行われておらず、ほとんど誰にも見られないまま実証期間は終了となりそうだ。

意味あった?観光庁の宿泊施設の空室情報サイト | 民泊専門メディア Airstair

何のためのサイト?

公式サイトの説明や観光庁のプレスリリースによると、

このサイトは、平成28年度観光庁観光産業課より公示された、「宿泊施設の空室情報提供強化事業(東京都、大阪府)」および「宿泊施設の空室情報提供強化事業(北海道、愛知県、福岡県)」の実証実験用サイトです。

https://www.hvss.jp/about/

ホームページや宿泊予約サイトによる情報発信手段を持たない、小規模宿泊施設の客室を有効に活用するための空室情報提供の強化を実証する実験サイトだそうです。公開期間は期間限定の12月から2月まで。

但し、このHVSSで予約することはできません。各施設へ問い合わせるか、予約サイトを調べる必要があります。

対象施設、掲載情報

北海道札幌市
東京都台東区
愛知県名古屋市(※準備でき次第掲載予定)
大阪府大阪市
福岡県福岡市

上記各地域の宿泊施設名、所在地(地図)、付帯設備、直近3日分の空室状況 等。

運営元

観光庁が株式会社野村総合研究所に委託し、日本ユニシス株式会社が下請け運営・開発しています。

企画競争実施結果 :http://www.mlit.go.jp/common/001143612.pdf

税金の無駄では?

実証実験をするならユーザー数を集める必要があると思うのですが、なぜわざわざユーザーが集まりにくくしているのでしょう?

宿泊施設の空室検索サイトなら民間の宿泊施設メタサーチサイト(トリバゴ、トラベルコちゃん、yahooトラベルなど)が既にありますし、大手予約サイトOTAでも直前予約は空室検索できます。

小規模施設の情報発信を助けたいのなら

じゃらんや楽天トラベルに部屋出ししていない小規模施設の情報発信を助けたいのなら、余計にきちんとSEO施策するべきです。大手予約サイトやメタサーチサイトが取りこぼしている、小規模施設の空室情報が地域ごとにまとめられているのならユーザーにとって有益ですし、都市部でのホテル不足の解消につながりますね。

宿がSNSで情報発信する方法を学ぶセミナーや勉強会などはあちこちで開かれていますし、観光庁主導で宿の情報発信の支援もできると思います。

どうせ税金を使うなら、国民に有益なやり方をしてほしいと思います。