昔懐かしいかき餅、手づくりです。昔は毎年冬の一番寒い時期になると、何処の家でもこのかき餅がたくさん作られていた。早朝の6時頃から夕方まで親戚や近所の主婦が集まって餅搗きが始まる。明日は他の家、明後日はまた別の家で餅搗きが始まる。
二、三日すると今度は餅切り作業が行われ、それをわら縄で絡んで、天井に吊るすと家中の天井がかき餅でいっぱいになる。
その頃は何処の家でも囲炉裏があって、完全に乾いたかき餅を炭火で焼くと、芳ばしいかおりが部屋中に広がる。
貧しい食生活の中で、その当時最高のお八つとして子供たちのお腹を満たしてくれるかき餅は、生活の必需品で重宝にされていたが、いつの頃からかかき餅を作る風習も無くなってきた。