今夜の所さんの日本の出番で和牛が取り上げられ、その中でも但馬牛のスキ焼も紹介された。但馬牛は全国の有名和牛の素牛と言われているが、私たちの温泉町はその但馬牛の産地である。
スキ焼と言えば、私たちの子供の頃には貧しくて滅多に口することはできなかった。
その頃流行った坂本九さんの「上を向いて歩こう」が、アメリカでも大ヒットして向こうでは「スキヤキソング」と、言われていた。
大人になって、日本も豊かになり、また、食事情も変わり、ちょっとした御馳走だ、どの家でも「スキ焼」となったものである。
実家の小さな村には、氏神様を祀った社があり、毎年、神主様をお迎えして祝詞をあげていた。 その時、恒例のように出された神主様をもてなすお料理は、「スキ焼」と決まっていた。
ところが、最近若者の中にスキ焼の食べ方を知らない若い人が、実に多いことが解った。 ビジネスで連泊されお客様に、この「スキ焼」をお出しすると、「焼肉」はよく食べるが、「スキ焼」は食べたことがない、とよく言われる。だからご自分で「スキ焼き」の作り方も知らないらしい。また「割り下」でなければ困るらしい。
吾々のころはきまって鍋奉行がいて、醤油と酒と砂糖があれば、自分好みの味付けをしたものである。