少し前の話題ですが12月上旬、Yahoo!トラベルプランが2017年5月31日でOTA(オンライン旅行事業)としての業務を終了し、以降は昨年買収し今年3月に子会社化した株式会社「一休」へ事業を集約させると発表がありました。
それに合わせて、参画施設にはYahoo!トラベルから手紙で通知がありました。
- ポータルサイトとしてのYahoo!トラベルは残り、OTAとしてのYahoo!トラベルプランは終了→新名称「ヤフープラン」へ
- 予約販売における低手数料モデルは厳しいのか
- Yahoo!トラベルで予約した!と思っても…
- 一休.comはIT・エンジニア業界で注目されている
ポータルサイトとしてのYahoo!トラベルは残り、OTAとしてのYahoo!トラベルプランは終了→新名称「ヤフープラン」へ
「Yahoo!トラベルプラン」なんてあったっけ?というユーザーの方もいらっしゃるかも知れません。無理もないです(笑)。
「Yahoo!トラベル」自体のサービス提供は1997年からあるのですが、Yahoo!トラベルが直販で宿の参画を集め、プランを販売し始めたのは2015年2月からで、まだ2年経っていない後発のサービスだったのですね。
それまではポータルサイトとしてJTB、るるぶトラベル、ベストリザーブ、 一休.comなど他の旅行会社の販売プランをまとめて比較できる宿泊メタサーチサイトでした。
今後はYahoo!トラベルで宿泊施設管理はせず、ポータルサイトにまた戻るということです。
2017年5月以降はYahoo!トラベルプランはなくなり、新たに「一休」と契約し直した宿泊施設が提供する新名称「ヤフープラン」として掲載され、残りの他会社プランと合わせたまとめサイトとなります。
宿泊施設は一休の予約管理システムを活用することでYahoo!トラベルに宿泊プランを掲載することが可能となる。この宿泊プランは、新名称「ヤフープラン」として掲載される。
一方で、一休は別ブランドとして従来通りの展開を行う。「Yahoo!トラベルプラン」に掲載してきた宿泊施設が一休の予約管理システムを利用可能になるものの、一休.comへの掲載基準は変わらないという。
ヤフーが旅行事業を再編、オンライン旅行事業(OTA)を「一休」に集約へ -ヤフー小澤氏に今後を聞いてきた | トラベルボイス
裏側の管理システムが変わるだけで、ユーザーとしては「何が違うの?」という感じで表向き見た目にはサイトの構成も変わらないと思います。
Yahoo!トラベルプランの特徴は
- 宿施設から徴収する手数料が安い:5%(他OTAは8~15%)
- ユーザーへのポイント還元率が5%以上
※Yahoo!トラベルプランの手数料は正確には手数料0% (ポイント負担 5〜14% システム利用料 +0.3%):実質5.3%~
でした。この宿へ低負担&お客様へ高待遇のYahoo!トラベルプランのシステムは画期的で、サービス開始当初はかなり期待され、参画した施設も多かったのですね。
ですが、やはり、低手数料では厳しかったのでしょうか、2年持ちませんでした。
ユーザーとしては表向き大きな変化はありませんが、Yahoo!トラベルに掲載されるプラン宿泊料金は高くなると思われます。(理由は後述)
予約販売における低手数料モデルは厳しいのか
Yahoo!トラベルプランは「低手数料で多く宿施設の参画を集め、他より安い宿泊料金で集客し広告料で利益を出す」というビジネスモデルでした。成功すれば、施設にとってもお客様にもとってもwinwinなシステムでしたが、やはり上手くいかなかったのでしょうか。
宿泊施設はYahoo!トラベルプランとの契約は2017年5月末で一旦終了し、2017年6月以降は株式会社「一休」と新たに契約し直すことになります。
「一休」はシステム利用料が10%ですから、Yahoo!トラベルプランのように格安の料金プランを出すことは難しいでしょう。
Yahoo!トラベルで予約した!と思っても…
前述のようにYahoo!トラベルは基本的にポータルサイトですから、直販以外の他の旅行会社のプランがたくさんあります。
- Yahoo!トラベルプラン
- るるぶトラベルプラン
- 一休.comプラン
- JTBプラン
- ベストリザーブプラン
ユーザーはYahoo!トラベルで予約したと思っていても、実は「一休.com」や「ベストリザーブ」のプランだったりする訳です。そこで予約の確認や変更は実際にはYahoo!トラベルではなく「一休.com」や「ベストリザーブ」でしなくてはいけません。
(るるぶトラベルプランやJTBプランはたびゲーターというサービスで連携しておりそちらでの予約となる)
ここがややこしくて、ユーザーにはわかりづらいところだと思います。
新「ヤフープラン」ではオンライン決済が可能になり、サイト内で予約を完結できるようになるそうなので、予約動線はユーザーにはわかりやすくなるかもしれません。
一休.comはIT・エンジニア業界で注目されている
2016年4月、伊藤直也氏がCTOに、クックパッドCTO舘野祐一氏が技術顧問に就任し、話題となりました。
伊藤直也氏(id:naoya )と言えば、はてなユーザーにはおなじみの元・株式会社はてな執行役員最高技術責任者(CTO)、複数企業の技術顧問を務めてきた有名エンジニアですね。
OTAとして老舗の一休.comのシステム開発体制は、古い体質も残っていましたが、伊藤直也氏のCTO就任後、改善されているようです。
「技術かサービスかではなく、両方。継続的なサービス提供のためにも、安易な技術的妥協をしないこと」
宿泊施設やユーザーにとって使いやすいサービス提供のためには、信頼できる技術が必要ということですね。
Yahoo!トラベルプランは終了しますが、新しい一休.comのサービス革新に期待したいと思います。