昨年10月4日、山陰海岸がユネスコのジオパーク世界ネットワークから日本で四番目のところとして加盟が承認されました。
San'in Kaigan | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
世界ジオパークとは
「ジオ(geo)」は、地球や大地という意味の接頭語で、ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を含む一種の自然公園です。 地質や地形は、地球の歴史を物語っているだけでなく、人の暮らしや文化に直接結びついています。この大地の営みをひとつの遺産として学び、楽しむのがジオパークです。
ヨーロッパの各国、中国、日本など世界各地のジオパークが加盟する世界ジオパークネットワーク(GGN:Global Geoparks Network)は、2004年にユネスコの支援により設立されました。山陰海岸ジオパークは2010年10月にGGNに加盟認定、2014年9月にはエリアを拡大して再認定されました。2015年、世界ジオパークはユネスコの正式事業となりました。
山陰海岸はその雄大な海岸美とともに、地質的価値の高さが認められて、2010年10月ギリシャ・レスボス島で現地時間の3日開かれた世界ジオパークネットワーク加盟を決める会議で加盟が認められました。
世界ジオパーク認定までの道のり
山陰海岸は、昭和 38年7月15日に国立公園の指定を受け、数年前には世界遺産の日本候補地としても取り上げられたこともありましたが、残念ながら世界遺産としては登録が認められませんでした。
しかし、山陰海岸ジオパークは世界も認めた大自然の博物館であり、これまでの海岸の奇岩、洞窟、洞門等の景観美だけでなく、地質的及び学術的価値が非常に高いことが証明されたわけです。
ジオパークは地球規模で考えた自然公園で、世界各地に学術的にも大変貴重な地質的遺産が沢山あります。
山陰海岸ジオパークには、日本列島がユーラシア大陸の一部だった頃から、火山活動などにより、日本海が形成され今日に至るまでの経過が確認できる貴重な地質遺産があります。
山陰海岸ジオパークエリア
ジオエリアは、東は京都府の経ヶ岬から西は鳥取県の鳥取砂丘までの110kmにまたがりますが、ジオパークとは海岸だけでなく温泉、山岳、河川、その地域の動植物の自然の営みや私たち人間の暮らしぶりまでもが含まれます。
ジオパーク世界ネットワーク加盟維持には4年毎の審査がある
加盟の認定は四年ごとに厳しく審査されるため、ジオパーク世界ネットワーク加盟の維持には私たち地域住民の責任が大変大きいと思います。
私は、観光に携わる者として観光面からのジオパークの価値を高めることが大変大切だと考えます。
山陰海岸ジオパークとかにソムリエの役割
浜坂観光協会で組織するかにソムリエの会では、自らの認識と知識を深めるためのジオパーク講習や地元で採れた食材を活かしたジオグルメの創作及び研究を行います。
観光で浜坂を訪れる皆様には、温泉や松葉ガニ、ホタルイカ等海の味覚をお楽しみ戴くだけでなく、ジオエリアを遊覧船や各地のジオスポット巡りをお勧めします。
特に、日本列島形成や大地の成り立ちにせまるジオカルチャーの開催や多くの人々が大自然に親しみ、地球と人間との関わりあいを考え、地球環境の保全(ジオエコー)を実践するジオツーリズムの展開を目指します。
そのためにはまず、地域がひとつになってジオリーダーやジオマエストロの養成を行なわなければなりません。
日本各地のジオパークエリアとの連携を
また、日本全国はもとより世界各地からジオツーリズムを楽しむジオレディー(ジオガール)等を募りジオツアーの開催や他の日本各地のジオパークエリアとの連携を図り、広域のジオツーリズム(ジオポイントの活用等)の展開をすることにより、私たち人間がこれからの地球とのよりよい関係の構築や自然保全の一助になれば幸いと考えます。
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