6月10日新温泉町諸寄で、ろうあの日本画家藤田威(たけし)先生の生誕100年を記念する集いが行われた。
午前8時から生家である中藤田家で生誕の記念碑の除幕式が行われ、奥様の孝子様や長女の山口みどりさん、次女の野間ルリ様などが集まり序幕の式典をされました。
9時30分からは新温泉町の諸寄基幹集落センターで記念講演も行われ 美術館の神英雄館長が「藤田威 明朗なる日本画家の生涯」と長女のみどりさんが「父・藤田威の思い出」と題してお話をされました。
特に、神英雄氏は、藤田威のお話をされる中で、彼を取り巻いた多くの関係者の繫がりとその影響やエピソードを交えながら話され、藤田威の実像や功績がわかりやすく伝わり、より鮮明に浮かび上がらせた。
最後に、新温泉町にある加藤文太郎記念図書館や町の先人を顕彰する「以命亭」にも大変高い評価を述べられた。
また、昭和39年芸術祭奨励賞受賞作品「歳月」の鑑賞が行われた。
歳月は、ご夫婦がろうあ者であり、その中で2人の子供を育てる藤田家の生活の様子や浜田ろう学校で教鞭をとり、その卒業生との繫がりを終生大切にし、画家への道を一時的に棚上げにして、ろうあ教育に全生活を傾ける一人の人間の生き様をドキメンタリータッチとして描いたNHKの作品である。
午後1時30分からは、松山善三監督の「名もなく貧しく美しく」の映画鑑賞。
この作品は、戦後ろうあ者の夫婦があらゆる困難を乗り越えて、人生の悲哀や子育ての大変さを描き、松山監督は藤田威御夫婦にろうあ者としての素材の提供や助言を求められたと言われています。